2015年2月24日火曜日

最近良く聞く言葉「BPSD」~認知症の行動・心理症状~

医療ネタです。

最近良く聞く言葉で「BPSD」(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)があります。認知症に関係する言葉で「行動・心理症状」の略です。

呼吸療法に従事しているとBTPSやATPSなどが出てくるので、BPSDとみると新しい基準かな?と思ってしまいます(^^;

今回のBPSDは認知症のお話。
施設に訪問診療に行くと、医師と施設スタッフが、「○○さんの BPSDは・・・・」と普通に情報交換の中で出てくるKeyWordです。恥ずかしながら、、、私は始めてBPSDという言葉を聞いた時は「?」でした。

認知症に関係するHPは沢山あります。その中から要約すると・・・
認知症の症状は大きく分けると2つ




「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」

中核症状には
・記憶障害
・見当識障害
・理解、判断力の障害
・実行機能障害
などがある

行動・心理症状(BPSD)には
・中核症状が原因で、性格、環境、身体状態が加わって起こる症状

ちょっと分かりにくい(^^;

東京都のとうきょう認知症ナビのHP(こちら)では、
BPSDの症状例として「家族が、わたしの大事な物を盗んだ!と言う。(もの盗られ妄想)」を例に挙げています。
確かに、数年前に亡くなった祖母は、しきりに「盗まれた」と言っていました。

臨床工学技士の私がなぜ、認知症の勉強をしているか?
高齢で自宅療養をする方が増えています。高高介護が今の在宅医療の現状です。もし、在宅酸素療法の患者さんが認知症だったら、、、介護者が認知症だったら、、、酸素療法を継続することができるのか?もし継続できなかったら、どうするのか?

今も発生している課題ですが、今後増加するCOPDの患者さん想定して、勉強中です。

2015年2月19日木曜日

オートセットCS-AのデータをResscanで見ていたら、思いのほかイベントが残存している

医療ネタです。

さて、妙にアドレナリンが出ているようで、目が冴えて眠れない。医療ネタを一つ。画像データは取ってくるのを忘れたので、ご了承下さい。代わりに実物器の名前で書きます。

心不全があり、チェーンストークス呼吸を有する患者さんへの呼吸療法としては、ASV(adaptive servo ventilation) が普及してきました。過去にブログにも記載しましたが、心配なことは、CPAPと同じように「出しっぱなし」になっていないかどうか?です。

現在多くのCPAPがAuto(自動)なため、もしかすると圧力設定を初期設定で4~20cmH2Oで出しているのではないでしょうか。もちろん、多くの患者さんは初期設定のままでも、問題ないと思うのですが。

先日当院でもオートセットCS-Aを使い始めました。当院は、多くの患者さんがOSASなことから、オートセットCS-Aを出すのは今回が初。現在OSAS関連の業務は、院内の検査技師が行っていますが、ASVは人工呼吸器の区分ということで、私も参戦。(オートセットCS-A以外の方はいる・・・)

導入後1週間後のデータを見ようと思ったら・・・SDカードを読むことができず。さて、、、どうしたものか? カードデータを読み込むソフトであるResscanのバージョンが低いことが判明Orz。あぁ~機器説明会の時に気がつかなかった。(この件は私がインシデントレポートを書きます)

Resscanのバージョンアップ実施。ようやく使用状況の把握が出来ました。リークがやや多いのですが、リークが少ない時間帯でも低呼吸が残存しています。と、言うことはminPSの初期設定圧である3では足りないのか? CS-Aは賢いので、勝手にターゲットボリュームを計算して、適当に圧力を調整してくれます。(詳細なメカニズムは後日、、、)


ちょっと詳しく解析してから、主治医と相談します。

ASVを初期設定で患者さんに使い始めることは、大きな問題ではないと考えています。重要なのは、使用状況の確認が定期的に実施されること。さらに、ASV使用時のPSGタイトレーションが実施され、呼吸状態が安定が確保されたことで、脳波上でも深睡眠が確認できること。

新しい機械や新しい治療は、日進月歩です。使う医療者側も勉強して、より良い治療ができるように!! と格好よく書いておいて、私自身も新しい機械の勉強不足です(^^;勉強しよう。。。



2015年2月13日金曜日

最近よく見る言葉「BSC」(Best Supportive Care)

医療ネタです。

現在の職場に赴任してから、癌患者さんに携わる機会が多くなりました。そのため、私自身も癌に関係する書籍を見ますし、他院から紹介されてくる診療情報提供書にも目を通します。連携する訪問看護ステーションのスタッフとも情報交換をします。

そんな中で見る機会が増えた言葉が「BSC」(Best Supportive Care)。
色々書籍見たり、HPを見てはいるのですが、自分の中でBSCをどのように日本語略にするといいのか、未だ分からない。「最善の手伝い」で良いのだろうか?手伝いということは、本人が望む「何か」を手伝うことなのか?

BSCのキーワードが出た時点で「治療」という選択枝が無いこと。「治療」から「緩和」へ切り替えの時期が「BSC」だとすると、BESTと言っておきながら、「最良」とは思えない。

現在相談を頂いている訪問診療の中には癌末期の方も含まれています。未だにBSCの意味を十分に解釈できないまま、退院調整に入ることになるのですが、患者さんやご家族の「自宅へ帰りたい」という想いが安心して叶えられるように努力します。

2015年2月11日水曜日

ちょっと残念だった退院カンファレンス

医療ネタをもう1つ。

ドラ○もんのもしもボックスに「当院には社会福祉士さんが在籍して、今私が受けている電話の半分くらいは対応してくれる。」と言いたいくらい、ここ最近、電話が猛烈に多いです(笑)

訪問診療の相談があるということは、退院カンファレンスや担当者会議が順番に発生してきます。

そんな中、某基幹病院での退院カンファレンスが散々でした。人のふり見て、、、ではないのですが、自分自身への教訓として記載します。

そもそも、某基幹病院は私が赴任時に直ぐに地域連携室に電話を入れて、面会拒否をされた施設。面会拒否というと語弊があるかもしれませんが、医療機関名を名乗ったうえで「地域連携を担当する方にご挨拶させて下さい。」と伝えたところ、「結構です」と言われた施設(笑)

私が感じたちょっと残念だったこと
1.医師が始めに病状説明して、そのまま退席(電話が来た?)
2.病院側から退院の話が出ている割には、具体的なプランが無い
  例)現在投薬している点滴の終了時期が未定
3.話をしているうちにケアの方法で病棟師長VSケアマネージャーの構図になった
4.そんな様子を家族の前で展開
5.戻ってきた医師から、再受診は不要。かかりつけ医に行くように。
6.今後も病院で診察を受ける予定だった家族は、びっくり
7.私もビックリ
8.再受診不要の話が、外来が3~4時間待ちになるための説明
9.ケアマネージャーが待ち時間は知っている宣言
10.師長と医師が長時間待ちますの繰り返し
11.私、、、唖然
12.家族の前で診察待ち時間が長い問題やることにガックリ


トドメは地域連携室のスタッフへ名刺を渡すも、無にもリアクションが無い事でした。
えっ?今持っていないのか?もともと持っていないのか?今後は院内のことは誰に連絡をすればいいのか?

こちらの基幹病院との退院カンファレスは初めてです。たまたま、このような散々な内容だったのかもしれません。次の退院カンファレンスに期待しています!! 

ちなみに前職で携わっていた同じ系統の基幹病院では、こんなことは ありませんでした。ところ変われば文化が違うのかな。

私見:神経筋疾患への呼吸管理ではとりあえずという考えでのNPPV導入は止めた方がいいと思う

医療ネタです。

ここ最近立て続けに神経筋疾患の患者さんの訪問診療の相談を頂いています。筋萎縮側索硬化症(ALS:amyotrophic lateral sclerosis)、多系統萎縮症(MSA:multiple system atrophy)で相談を頂きます。今の所、筋ジストロフィーの相談はありません。

現在ご相談を頂いている多くのケースが、既に気管切開をされいるケース。もしくは、長時間NPPVをされているケースがあります。

今の所、残念なことに訪問診療のご相談を頂くときには、NPPVを適切に使える期間を過ぎていることが多いです。全くNPPVを試さずに気管切開に移行されているケースもあります。

NPPVを試さなかったのは、疾患の進捗状況からNPPVは換気の維持が確保できないため、選択外となったのか、初めからNPPVの選択枝が無かったのかは分かりません。なにせ、その後になってから相談を頂くので、「選択」の経緯をお伺いするまでに時間がかかります。

ここでようやくタイトルに戻ります。
在宅人工呼吸器の基本性能が飛躍的に向上したことで、呼吸同調も良く、自宅でのコンプライアンスの把握も可能となりました。一方で神経筋疾患の場合には、進行性病変として、NPPVが使えなくなる可能性もあります。だからこそ、「とりあえず」NPPVで急性増悪の対応は良しとしても、「とりあえず」長く使ってみようという発想だと、気管切開の選択、人工呼吸器装着の選択が曖昧になります。NPPVの良い事、将来発生する可能性があること。NPPVを使わなかったからどうなるか。NPPVを始める前に、医療者側からの説明が必要だと考えます。

過去のブログでも何度も書きましたが、私は気管切開を推奨・否定 どちらもしません。ただし、その選択が本人・家族がそろってできるように、可能な限りの情報をお伝えしていきます。NPPVも同じです。使った場合の良い事、使わなかった場合に想定されること。何度でもお伝えします。

NPPVの普及によりご自宅や施設で使う方は増えることでしょう。神経筋疾患に限らず、NPPVが上手に使えているかは、定期的に確認する必要があります。場合によっては、こまめに設定変更も必要です。「とりあえず」だけで自宅に持ち帰ると、ホコリをかぶって使わないことにもなりえます(^^;







「紫色採尿バック症候群」に驚く。まだまだ知らないことばかり(^^;

医療ネタです。

どうも(^^)/明日がお休みなので、夜更かしをしようと企んでいる管理人です。最近ブログの更新が滞っているので、書ける時に書きます。

 みなさんは、「紫色排尿バック症候群」「紫色ウロバック症候群」を聞いたことがありますか。
私は、つい最近初めて見ました。

通常は、色が付いていない排尿バックが、紫色!!

病棟勤務経験が長い看護師さんは、直ぐに分かったようでした。

詳しいことは、ウィキペディアのこちらをご参照ください。

概要は「長期病臥中で尿道カテーテルを長期留置している患者に見られ、採尿バッグ(蓄尿バッグ)が紫色に染められる現象である。尿中のインジカンが細菌によって色素になり、その色素が採尿バッグを染め上げる。」

まだまだ知らないことばかりです。

2015年2月2日月曜日

生活保護を受けている人が施設で最期を迎えるという現実

医療ネタです。

生活保護受給者の数は200万人を超え、増加傾向にあるようです。医療に携わっていると、生活保護のいくつかの課題に直面します。

昨夜は、施設に入居中の方の様子がおかしいとの連絡が、当院の看護師に連絡があり、医師が緊急往診に行くことになりました。連絡を頂いた方は、生活保護受給者で家族背景も複雑です。

生活保護を受けているという状況には、色々な背景があるはずです。医療側からは、情報を聴く前に診療情報提供書やケアマネからの情報提供書等で、背景の一部を垣間見ます。施設に入居している以上は、積極的な治療を行っている状況ではありません。進行病変を持っている場合には、今後どのような生活を望んでいるのか、本人・家族との治療方針は一致しているのか、少しずつ信頼関係を構築していく必要があります。

今回様子がおかしいと連絡を頂いた患者さん、家族背景は複雑でしたが、もしもの時はどうする?という話が、医師と家族が出来ていました。(今回は本人が意思決定するのが難しい)

今までのケースでは、亡くなった場合には、市役所の○○課の○○さんへ連絡というケースもありました。

タイトルには「施設で」と書きましたが、独居で親族が遠方にいるケースもあることでしょう。

多様化する医療に対応するために、訪問診療の開始前に可能限りの情報を集約する必要があると実感してます。具合が悪くなった時には、だれに連絡をするのか?訪問看護等で必要が別にかかる場合には、だれに相談するのか?(生活保護の場合、市町村に事前相談が必要なケースも)

課題は山積しています。